汗をかくと気になるワキガ。
「こまめにシャワーを浴びたりデオドラントを使ったりしてもまだニオイが気になる…」
ワキガ手術はデオドラントのように一時的な制汗効果ではなく、半永久的な効果が見込めるという利点があります。
しかし、現実にワキガ手術を受けるに当たっては、さまざまな疑問や不安がつきまとうのではないでしょうか。
「費用はどのくらいかかるの?」
「保険は使えるの?」
「どんな手術をするの?」
「効果はどのくらい続くの?」
「傷跡は残らない?」…etc
Contents
ワキガ手術に保険は使える?費用はどのくらい?
「美容クリニックや皮膚科での手術は高額なものになりがち」というイメージがありますが、実際はどのくらいかかるのでしょうか?
ワキガ手術に保険が使えないってホント?
医療機関で行われる手術であっても、すべてに対して健康保険が使えるわけではありません。
むしろ美容目的の手術では保険が使えないことの方が多いのです。
ワキガ手術も同様で、皮膚科で手術を受ける場合であってもほとんどの手術は自費診療になります。
唯一例外と言っていいのが「剪除法」と呼ばれる、脇の皮膚を切開して汗腺を取り除くワキガ手術です。
「剪除法」の手術内容については後ほど詳しく解説しますが、ワキガの原因となる汗を分泌するアポクリン汗腺を取り除くので、半永久的な効果が持続します。
かかる費用はおよそ3万円~6万円(両脇とも手術する場合)です。
ワキガ手術にかかる費用一覧
ワキガ手術は前述の「剪除法」のほかに、マイクロウェーブや高周波を当てることで切らずに汗腺を破壊する「ミラドライ」や「RF波によるワキガ手術」、特殊なメスで皮膚を切開する「クワドラカット法」や「シェービング法」、ボツリヌス菌の注射によって発汗を抑制する「ボトックス注射」などの手術法があります。
手術方法 | 手術にかかる費用 |
---|---|
切らないワキガ手術 (ミラドライ、RF波によるワキガ手術など) | 30万円~40万円程度(保険適用なし) |
切開するワキガ手術1 (クワドラカット法、シェービング法など) | 15万円~40万円前後(保険適用なし) |
切開するワキガ手術2 (剪除法) | 3万円~6万円程度(保険適用あり) |
ボトックス注射 | 1万円~8万円程度(保険適用なし) |
※すべて両脇を手術したときの価格
クリニックによっては手術そのものにかかる費用のほかに、術前の血液検査や麻酔代を別途徴収しているところもあります。
実際にワキガ手術を受ける際には、手術代以外の費用が必要かどうか確認しておくようにしましょう。
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ワキガ手術はどんなことをするの?
では、ワキガ手術とは具体的にどのようなことをするのでしょうか?
ミラドライと呼ばれる機械で特殊なマイクロウェーブを脇に照射して汗腺を破壊します。
皮膚を切開する必要がないため痛みや傷跡がなく、心理的にも身体的にも負担が少ないワキガ手術です。
皮膚を切開する手術よりも広範囲をカバーできる上に術後の回復も早いという大きなメリットがありますが、反面、費用負担が大きいというデメリットもあります。
脇の汗腺を破壊するので、1度手術を受ければ効果は半永久的に持続します。
痛みが少ないことから子どものワキガ手術にもよく使われている手術法です。
サーミRFやビューホットなどの機械で高周波を脇に当てて、汗腺を破壊する手術方法です。
火傷のリスクが少なく安全性が高いと言われています。
施術にかかる時間が30~60分と短く手術当日から通常の生活に戻れるというメリットがありますが、ミラドライと同様に費用負担が大きいところが難点です。
クワドラカットメスと呼ばれる特別なメスを使って脇の一部を切開するワキガ手術です。
ワキガの原因になるアポクリン汗腺を可能な限り取り除きます。
健康保険は適用されませんが、切開する部位が4~5ミリ程度なので傷痕が残りにくいというメリットがあります。
脇を1センチほど切開して、特殊な吸引器やシェーバーがついたメスで汗腺を取り除きます。
クワドラカット法よりも費用負担が少なく剪除法よりも傷跡が残りにくいというメリットがありますが、効果は1年ほどしか持続しません。
脇の1~2ヶ所を3~5センチほど切開し、皮膚を裏返しにして汗腺を削り取る方法です。
「皮弁法」「切開法」とも呼ばれます。
「腋臭症」と診断されれば保険適用で手術が受けられるため費用負担が少なくてすみますが、手術直後は内出血や傷跡が大きく残ります。
「できる限り少ない費用でワキガを改善したい!」という人におすすめの手術方法です。
脇にボツリヌス菌を注射することで、汗の分泌を促すアセチルコリンという神経伝達物質の分泌を抑えます。
過剰な汗の分泌を抑制するので結果的にワキガがニオイにくくなりますが、効果が持続する期間は3~6ヵ月程度です。
費用負担は注入するボツリヌス菌の量やクリニックによってかなり開きがありますが、1万円~10万円程度かかります。
上記の6つ以外に、
- 機械で脇に超音波を当てて汗腺を破壊する「ウルドライ」
- 脇を切開して吸引器で汗腺を吸い出す「吸引法」
などのワキガ手術法もあります。
ワキガ手術後はどう過ごせばいいの?術後の生活不安を解消!
「入院する必要があるの?」
「手術にはどんなリスクや副作用があるの?」
「痛みや腫れが引いて日常生活に戻れるようになるまでどのくらいかかるの?」
「傷跡はどのくらい残るの?」
など、ワキガ手術を受けた後のあれこれについて詳しく解説します。
ワキガ手術は切開する、しないにかかわらず入院の必要はありません。
ワキガ手術はすべて、手術が終わったその日に帰宅する日帰り手術です。
ただし、手術後の経過を医師に診てもらうために、術後1~2週間程度の間に3~4回の通院が必要になります。
ワキガ手術を受ける人にとって一番気になるのは、手術によるリスクや副作用ではないでしょうか。
ワキガ手術は医療機関による様々な工夫で安全性が高められていますが、痛みや痒み、傷口の感染による化膿などの副作用が全くないわけではありません。
また、毛穴の中にある汗腺を除去することで、その部分に生えていた毛を一緒に取り除いたり皮膚に色素を沈着させたりと思わぬ影響を及ぼすこともあるのです。
脱毛とワキガ対策を一緒にできるのは嬉しいけれど、脇に黒ずみができるのはイヤですね。
手術法 | 副作用・リスク |
---|---|
ミラドライ | ごくまれに腫れ、痛み、腕や胴の違和感、皮膚の隆起が見られることがある。 |
RF波によるワキガ手術 | ごくまれに赤みや軽度の熱傷が見られることがある。 |
クワドラカット法 | 軽い痛みや赤み・皮下出血が見られることがある。 |
シェービング法 | 痛みや痒み、傷口の化膿や皮下出血、皮膚の隆起や凹み 、脇の毛の脱毛や黒ずみが見られることがある。 |
剪除法 | 手術当日は麻酔が切れると痛みを感じやすい。まれに、傷口の化膿や皮下出血、脇の毛の脱毛や皮膚の黒ずみが見られる。 |
ボトックス注射 | まれに炎症や皮下出血、皮膚の黒ずみが見られる。 |
手術の後、通常通りの生活に戻れるようになるまでの期間のことを「ダウンタイム」と呼びます。
ワキガ手術は入院の必要がなくダウンタイムも比較的短いので、手術を受ける人にとって比較的負担が少ない手術です。
手術法 | ダウンタイム |
---|---|
ミラドライ | ほとんどない。手術の当日からシャワー浴が可能。翌日から通常通り生活できる。 |
RF波によるワキガ手術 | ほとんどない。手術の当日からシャワー浴が可能。翌日から通常通り生活できる。 |
クワドラカット法 | 1~2日でシャワー浴が可能。抜糸まで1週間程度。抜糸後は通常通り生活できる。 |
シェービング法 | 1~2日でシャワー浴が可能。抜糸まで1週間程度。抜糸後は通常通り生活できる。 |
剪除法 | 術後4~5日でシャワー浴が可能。抜糸まで1~2週間程度。抜糸後は通常通り生活できる。傷跡が安定するには1~2ヵ月かかる。 |
ボトックス注射 | ほとんどない。手術当日からシャワー浴が可能。 |
剪除法以外のワキガ手術ではダウンタイムは1~2日程度で、手術当日や翌日からシャワー浴が可能です。
ただし、手術した部分は濡らさない方が良いので上半身に勢いよくシャワーを浴びない方が良いでしょう。
クワドラカット法やシェービング法など脇を切開して手術した場合は、
- 抜糸までは肩を安静にする
- 抜糸までは前開きの服装にする
- 手術から3週間は激しい運動を控える
と指導している医療機関が多いです。
剪除法では切開する面積が大きく傷口をガーゼで固定するため、術後4~5日は腕を動かしにくく、シャワーも控える必要があります。
抜糸後は通常通りの入浴や運動ができますが、傷跡がキレイになるまでには1~2ヵ月程度の時間がかかります。
剪除法以外のワキガ手術では、まず大きな傷跡は残りません。
皮膚を大きめに切り取る剪除法では傷跡や内出血の痕が残りますが、脇のしわに沿って丁寧に切ってもらえればそれほど傷跡が目立つことはなく、時間の経過とともにわかりにくくなります。
クワドラカット法やシェービング法では皮膚を切開する面積が小さいので、手術直後でも傷跡はほとんどわかりません。
ミラドライやRF波によるワキガ手術、ボトックス注射は皮膚を切開する必要がないので、傷跡が残る心配はありません。
一目でわかる!ワキガ手術の値段・効果・その他のまとめ表
これからワキガ手術を受けてみようと考えている方の参考になれば幸いです。
手術方法 | ミラドライ | RF波 | クワドラカット法 | シェービング法 | 剪除法 | ボトックス注射 |
---|---|---|---|---|---|---|
効果が持続する期間 | 半永久的 | 半永久的 | 半永久的 | 約半年~1年 | 半永久的 | 約3~6ヵ月 |
施術時間 | 60~90分 | 30~60分 | 40~60分 | 40~90分 | 60~90分 | 10~30分 |
ダウンタイム | ほとんどない。 | ほとんどない。 | 1~2日。抜糸まで1週間程度。 | 1~2日。抜糸まで1週間程度。 | 4~5日。抜糸まで1~2週間程度。 | ほとんどない。 |
副作用・リスク | 腫れ、痛み、皮膚の隆起 | 赤み、軽度の熱傷 | 軽い痛み、赤み、皮下出血 | 痛み、痒み、傷口の化膿、皮下出血、皮膚の隆起や凹み 、脇の毛の脱毛、皮膚の黒ずみ | 手術当日の痛み、傷口の化膿、皮下出血、脇の毛の脱毛、皮膚の黒ずみ | 炎症、皮下出血、皮膚の黒ずみ |
費用負担 | 30万~40万円程度 | 30万~40万円程度 | 30万~40万円程度 | 15万~36万円程度 | 3万~6万円程度 | 1万~10万円程度 |
麻酔 | ||||||
保険適用 |
※1 価格や施術時間はすべて両脇の場合
※2 別途、麻酔代や血液検査代が必要な場合もある
まとめ
この記事ではワキガ手術について、
- 健康保険が使えるかどうか
- 手術にかかる費用
- 主な手術方法
- 入院が必要かどうか
- ワキガ手術におけるリスクや副作用
- 手術から通常の生活に戻るまでにかかる時間
- 傷跡が残るかどうか
などを解説しました。
ワキガの原因の1つに、「生まれつきの体質」があります。
ニオイの元になるアポクリン汗を分泌するアポクリン汗腺が大きく数が多いほど、体質的にワキガがニオイやすいのです。
生まれついての体質をセルフケアだけでカバーするのは難しいですが、手術によって汗腺を取り除いたり汗の分泌量を抑えたりすれば、かなり効果的にニオイを抑えることができます。
ワキガ手術を受けるかどうか迷っている方は、まずはお近くの美容外科や皮膚科クリニックで話を聞いてみてはいかがでしょうか?